「広報とよかわ」2015年5月号(MY COLOR)
更新日:2015年9月17日
MY COLOR
きらっと☆とよかわっ!輝くひとVol.2
さまざまな分野で活躍する豊川市出身のトップランナーを紹介します
大好きなカヌーで
自分らしく流れに乗る
カヌー選手 石田元子さん
激しい川の流れの中で、カヌーを回転させるなど、その動きや技を競うフリースタイルカヤック。このトップ選手・石田元子さんにお話を聞きました。
幼いころから外遊びが大好きだった石田さん。木登りをすれば、近所の公園の木を全部制覇してしまったり、豊川まで自転車で行って遊んだりするなど、身近な自然の中で活発に遊ぶ女の子だったという。
石田さんとカヌーとの出合いは、22歳の時。「みんなで楽しんでいたアウトドアの一つにカヌーがあって、下条橋のところで初めて乗ったんです」と、懐かしそうに振り返る。その後、長良川で行われたフリースタイルカヤック・ジャパンオープンを会場で見ていた時に、「やってみないか」と誘われたのが、この競技との出合いとなった。
24歳で初めて出場した世界選手権の後、「2年後の世界選手権を再び目指すなら、仕事をやめて取り組もう」と、勤務していた病院を退職した。不安もあったが、カヌー選手として新たな進路に漕ぎ出した時には、すべて吹っ切れていた。そんな自分を送り出してくれる家族がいること、帰れる家が豊川にあることは、今でも幸せだと感じている。
「誰よりもカヌーが好きで、川にいるのが好き」これが20年間もカヌーを続けることができた理由だという。また、国内外の大会では、結果を出すこと以上に、他の選手たちと会い、一緒にカヌーができることを楽しんでいる。そのため、「よくカメラマンから、競技中に笑っていたねと言われるんです(笑)」。
だが、今年の夏に開催される世界選手権への思いは少し違う。開催地は初出場した時と同じカナダ。この大会をひとつの区切りと考えているため、何としても出場し、メダルを獲りたいと考えている。
「流れに乗っていこう!」と、着地点を決めずにやってきた人生。大好きなカヌーによって、多くの人と出会い、新しい自分を見つけることができた。今後も、カヌーに乗りながら、自分の経験やカヌーの魅力を多くの人に伝えていきたいと、新たな流れを思い描いている。
プロフィール
石田元子(いしだもとこ)
中部小学校、南部中学校、国府高校と進み、医療系の専門学校を経て、豊橋市内の病院に勤務。その後、カヌー選手となり、フリースタイルカヤック世界選手権に9回連続出場。過去に銀メダル4個、銅メダル3個を獲得。