「広報とよかわ」2020年4月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2020年4月1日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.13
労働災害ゼロを目指して
アジアクリエイト株式会社 常務取締役・佐藤 陽平さん
働く人の安全を守る
機械への巻き込まれや転倒などにより、国内で年間約12万件発生する労働災害。アジアクリエイトでは、現場で起こるさまざまな危険を疑似体験できる安全体感装置を製作している。「現場に潜む危険を知ってもらい、事故を防ぐ対策を一緒になって考えることが労働災害を減らし、働く人の命を守ることにつながる」と佐藤さんは話す。
実体験から危険を知る
作業現場に潜む危険を知るためには、実際に衝撃を体感することが必要となる。そのため、製作される装置は、体験者が普段の作業環境をイメージできるように、現場で使用されている機械と同規模の能力となるように設計される。直接衝撃を体感することで、目で見るよりも鮮明に記憶され、感覚的に危険を知ることができる。自身が行う作業の中で、「何が危険で、どんな時に危険が生じる可能性があるのか」に気付いてもらうため、装置の納品の際は、指導員立ち合いのもと講習を行っている。各企業で安全教育への意識が高まり、講習の依頼は年々増加しているという。「顧客から『以前よりも安全管理に対する姿勢が変わった』との声を聞くと、労働災害を減らす一助になったと感じる」と話す。平成27年からは、より多くの人に講習を受けてもらうため、約60項目の疑似体験ができる安全体感研修センターを開設。これまでに、国内外から5千人以上の受講者が訪れている。
世界に広げる安全教育
地域によっては安全教育のレベルはさまざまで、不十分な地域もある。中でも、アジア地域は労働災害の発生件数が比較的多く、対策が必要とされている。「今後は、アジア地域における安全教育にも取り組んでいきたい」と意気込みを語る佐藤さん。労働災害ゼロを目指して、今後も、全ての働く人の安全に挑み続ける。
アジアクリエイト株式会社 本社 蔵子7-11-15
1989年創業。産業用工作機械や安全体感装置の設計・製作を行う機械メーカー。また、国内外の企業などから依頼を受け、安全体感研修事業を展開している。