「広報とよかわ」2021年5月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2021年4月30日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.25
うずら卵で人を幸せに
天狗缶詰株式会社 三河工場製造課 小林 翼さん
愛されるうずら卵製品
缶詰やレトルト食品の製造・販売を手掛ける天狗缶詰。中でも国産うずら卵を使用した水煮や煮卵などのうずら卵製品は、国内トップシェアを誇っている。製造を担当する小林さんは「私たちが作るうずら卵製品を通して、多くの人を助けたい」と話す。
おいしさと安心を届ける
東三河地域は全国有数のうずら卵生産地。天狗缶詰は時期により不安定な需要に悩んでいた地元のうずら農家を救いたいと、昭和44年、長期保存が可能なうずら卵の缶詰を作り始めた。
三河工場では、東三河を中心とする近隣地域で採れたうずら卵を使用。ゆでたうずら卵は、鶏卵に比べ身が柔らかい。そのため、殻割りや殻むき、選別などで使用する機械の衝撃で割れやすい。そこで、柔らかな食感を保ちつつ、衝撃に耐えられる固さにするためには、ゆでる温度や時間などの加減が重要となる。「仕入れ先や季節によって卵の大きさや柔らかさは全く異なる。いつも変わらないおいしい製品に仕上げるため、卵の状態に合わせ各工程で細かく調整している」という。
また、柔らかい卵は殻の破片が刺さりやすい。「うずら卵は給食などで子どもたちも口にする。おいしく安心安全なものを届けたい」と、品質の確認作業を、機械と人の目により徹底的に実施。こうして丁寧に作られたうずら卵製品は、学校給食や全国の飲食店などで広く利用されている。
人に役立つ製品を
現在は、缶詰製造の技術を生かし、保存期間5年のおでん缶など備蓄用非常食缶詰の製造にも取り組む天狗缶詰。「困った時、缶詰で少しでも笑顔になってもらえたらうれしい。これからも、人に役立つものを作っていきたい」と話す小林さん。今も昔も変わらない思いを込めながら、人を幸せにする製品を生み出し続けていく。
天狗缶詰株式会社 三河工場:御津町佐脇浜二号地1-17
1923年創業。缶詰やレトルト食品の製造・販売を手掛ける食品メーカー。主力の国産うずら卵を使用したうずら卵製品は国内トップシェアを誇る。