「広報とよかわ」2022年11月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2023年8月17日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.43
印刷業界に革新を
コニカミノルタメカトロニクス株式会社 モノづくり革新室・玉木克明さん
印刷業界を支える独自技術
印刷業者が使用する、商業用デジタル印刷機の消耗品やオプション製品の製造を手掛けるコニカミノルタメカトロニクス。独自技術で製造される自動色補正などの機能を持つオプション製品は、多くの顧客から支持されている。玉木さんは、「顧客のニーズや生産現場の課題に基づいた技術開発を心掛けている」と語る。
課題に基づく技術開発
印刷現場では、通常、印刷時に生じる色ズレなどを人の目で確認し、品質の悪い印刷物の抜き取りや再印刷といった作業が必要となる。このため、一連の作業に多くの時間を要することが課題となっていた。そこで生み出されたのが、色の補正や検品作業の自動化など、さまざまな機能を持つオプション製品。印刷作業の効率化により顧客の負担を軽減し、印刷物の品質向上にもつながった。
オプション製品には、約5千点の部品が使用され、うち7割を自社で製造。大小さまざまな部品を効率よく製造するには、生産工程の抜本的な見直しが必要だった。そこで、これまで人が行っていた作業工程にAI(人工知能)などのデジタル技術を導入することで、作業を自動化。さらに、作業者が現場で培ってきた知識・経験・技術をデジタル技術と融合させ、最適な生産システムを開発した。これにより、作業者ごとにばらつきのあった品質が一定となり、生産性も向上した。玉木さんは、「現場に合った技術開発がこだわり。小さな改善ではなく、劇的な改善を目指している」と話す。
豊川発で世界に展開
人や国などにとらわれないモノづくりを目指しているコニカミノルタメカトロニクス。「豊川で生まれた技術を世界中の生産拠点に展開することにやりがいを感じる」という玉木さん。これからも、現場や顧客の課題解決のために革新的な技術開発を続けていく。
コニカミノルタメカトロニクス株式会社:八幡町東赤土2
2016年設立。商業用デジタル印刷機の消耗品などの製造を手掛ける。中でも、自動色補正などの機能を持つオプション製品は、独自技術により製造されている