「広報とよかわ」2023年3月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2023年8月17日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.47
さらなる頂を目指して
新東工業株式会社 鋳造事業部・北山 隼次さん
世界トップシェアの鋳造設備
自動車や船舶向けの部品などを作る鋳造設備の製造において、世界トップシェアを誇る新東工業。鋳造とは、高温で溶かした金属を、砂などで作った型の空洞部分に流し込み、冷やして固めた製品・鋳物をつくること。
鋳造設備の設計を担当する北山さんは「身の回りのあらゆるものを生み出す鋳造設備の、設計・製造から現場への据え付けまでを一貫して行えることが強み」と話す。
ニーズに合わせたモノ作り
新東工業では、顧客の要望に合わせ、大量生産だけでなく一点物の製造にも対応できる、さまざまな鋳造設備を製造している。これらの設備からは、船舶の大きなエンジン部品から、マンホールの蓋や鍋などの身近なものまで、多種多様な製品が作り出される。ニーズに合わせた設備の計画・設計をチーム全体で進め、綿密に話し合いを重ねることで不具合を未然に防ぎ、より満足度の高い設備を提供。近年は、IT技術の導入など、顧客が設備に求める条件も複雑化しており、設計から据え付けまでに3年以上かかることもあるという。また、自ら現場に足を運び、稼働前の最終確認を実施。そこで不具合が見つかると、後工程に影響しないよう、現場で部品を調整したり再度設計を行ったりする。「大規模な設備の設計を任されていることや、身の回りにある、なくてはならないものが自分の技術によって生み出されていることにやりがいを感じる」と北山さんはいう。
温故知新で世界へ
自動車の電動化など、時代が変化する中、常に新しい技術にチャレンジすることが求められる。「鋳造という技術を基に、新しい時代に対応していく姿勢を大切にしたい」と北山さん。世界の鋳物製造を支えるため、これからも技術者たちの挑戦は続く。
新東工業株式会社豊川製作所:穂ノ原3丁目1
1934年設立。自動車や船舶向けの部品などを作る鋳造設備の、設計・製造から現場への据え付けまでを一貫して手掛ける。設備は国内外に提供され、世界トップシェアを誇る。