平和宣言

　本日、豊川市平和祈念式典を挙行するにあたり、想像を超える新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ご遺族、豊川海軍工廠関係者を始めとする多くの皆様に、式典へのご臨席を急遽ご遠慮いただきましたこと、心よりお詫び申し上げます。
　本市といたしましては、新型コロナウイルスの感染が急拡大している状況に鑑み、式典の開催中止も視野に入れ、検討いたしましたが、戦争による悲惨な出来事を後世に伝えていくという使命のもと、皆様には映像をご覧いただく形で式典を執り行うことにいたしました。何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
　本市では、豊川海軍工廠被爆50周年を迎えた平成7年8月7日に「平和都市宣言」を行って以来、平和祈念式典を毎年執り行い、戦争により引き起こされた悲しい歴史を心に刻み、平和の尊さを訴え続けてまいりました。
　しかし、世界においては、ロシアによるウクライナ侵攻など、各地で武力紛争が繰り返され、国際社会の平和と安定を著しく脅かしている現状にあります。
　終戦から77年が経ち、戦争を知らない世代が多数を占める時代となりました。
　昭和20年8月7日、豊川海軍工廠は空襲による激しい爆撃に飲み込まれ、誕生間もない豊川市の中心部は焼け野原となり、一瞬にして2500人以上の尊い命が奪われました。
　悲しい歴史が刻まれたこの海軍工廠の跡地にある「豊川海軍工廠平和公園」には、戦争遺跡が保存されています。今の時代を生きる私たちが戦争の恐ろしさを体感し、平和について改めて考える場所として、多くの方にご利用いただきたいと思っております。
　悲惨な経験をした本市としては、今日の平和と繁栄が、先人の尊い犠牲の上に築かれたものであるということを決して忘れることのないよう、今後も語り継いでまいります。
　本日ここに、戦禍の犠牲となられた方々の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、二度と悲惨な歴史が繰り返されないよう、将来を担う子どもたちの明るい未来に向けて、戦争のない世界、核兵器のない世界の実現を目指し、恒久平和に向けて全力を尽くすことをお誓い申し上げます。
　　　令和4年8月7日　　　
　　　　　　　　　　豊川市長　竹本　幸夫