上場株式等に係る配当所得等に係る課税方式の選択について
更新日:2023年1月10日
制度の概要
令和4年度の税制改正により、令和6年度以降の個人市県民税については、所得税と異なる課税方式を選択することができなくなりました。所得税と異なる課税方式が選択できるのは、令和5年度以前の個人市県民税についてです。
平成29年度税制改正で、特定配当等に係る所得及び特定株式等譲渡所得(以下、「上場株式等に係る配当所得等」といいます)について、市民税・県民税の納税通知書が送達される時までに市民税・県民税の申告書をご提出いただくことで、所得税と異なる課税方式を選択できることが明確化されました。(例:所得税は申告分離課税、市民税・県民税は申告不要等)
所得の種類 | 選択できる課税方式 | |||
---|---|---|---|---|
特定配当等に係る所得 | 上場株式等の配当所得 | 総合課税 | 申告分離課税 | 申告不要制度 |
特定公社債等の利子所得等 | - | 申告分離課税 | 申告不要制度 | |
特定株式等譲渡所得 | 上場株式等の譲渡所得等 (源泉徴収ありの特定口座内のもの) |
- | 申告分離課税 | 申告不要制度 |
必要な手続き
市民税・県民税の納税通知書が送達される時までに市民税・県民税の申告書の提出が必要です。申告の際は下記のものをお持ちください。
- マイナンバーカード(お持ちではない場合はマイナンバーの確認と身元確認ができるものの組み合わせ
- 確定申告書の本人控
- 特定配当等に係る所得の申告の場合→配当の支払通知書や特定口座年間取引報告書など(コピー可)
- 特定株式等譲渡所得の申告の場合→特定口座年間取引報告書や確定申告書付表など(コピー可)
なお、令和4年度の申告から、全ての特定配当等・特定株式等譲渡所得について申告不要制度を選択する場合については、市民税・県民税の申告書の提出に代わって、所得税の確定申告書2表の住民税・事業税に関する事項にある「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に丸を付けることで、市民税・県民税において申告不要制度を選択することができます。
申告期限
原則として、当該年度の申告期限(3月15日(土日祝日の場合は翌平日))までに市民税・県民税の申告書を提出することが必要です。
ただし、申告期限後であっても市民税・県民税の納税通知書が送達(注釈1)される時までに提出された申告書は有効です。納税通知書がすでに送達されている場合は、上記申告書は無効となります。
注釈1:豊川市の場合は例年、次の時期に通知書を発送しています。
・市民税・県民税を給与等から特別徴収されている方:5月15日前後
・市民税・県民税を普通徴収(ご自身で納付または口座振替)により納付している方:6月10日前後
ご注意
- 所得税と市民税・県民税において異なる課税方式を選択する場合は、市民税・県民税の納税通知書が送達される時までに所得税と異なる課税方式を選択するための市民税・県民税の申告を行うことが必要です。
- 市民税・県民税において、上場株式等に係る配当所得等を申告した場合、寡婦(寡夫)、勤労学生、扶養控除や配偶者(特別)控除の判定、非課税判定や国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、介護保険料等の算定の基準となる総所得金額等や合計所得金額に含まれますのでご注意ください。詳しくは各窓口でご相談ください。
- 所得税と異なる課税方式を選択した方で、上場株式等を譲渡したことにより生じた譲渡損失の金額を翌年度以降に繰り返す場合は、市民税・県民税の納税通知書が送達される時までに、市民税・県民税の申告の際に別途「上場株式等の譲渡損失明細書」や「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除明細書」の提出が必要です。
- 所得税と市民税・県民税において、異なる課税方式の選択が可能となる所得は、上場株式等に係る配当所得等のみとなります。
- 源泉徴収口座における上場株式等の譲渡による所得又はその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得等を申告するかどうかは口座ごとに選択できます。
- 源泉徴収口座における上場株式等を譲渡したことにより生じた損失の金額を申告する場合には、その源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得等も併せて申告しなければなりません。
上場株式等に係る配当所得等の課税方式等
上場株式等に係る配当所得等の課税方式や、申告した場合の各種控除の適用や影響等についてまとめると以下のようになります。
特定配当等に係る所得 | 課税方式 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
申告不要 | 申告分離課税 | 総合課税(注釈1) | ||||
申告した場合 の税率 |
所得税及び復興所得税 | ― | 15.315% | 累進課税 | ||
市民税・県民税 | ― | 5% | 市民税 3% | 10% | 市民税 6% | |
県民税 2% | 県民税 4% | |||||
上場株式等と譲渡損失との損益通算 | ―(注釈2) | できる | できない | |||
事業所得や不動産所得に係る損失との 損益通算 |
― | できない | できる | |||
国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、 介護保険料等への影響の可能性 |
― | あり | あり | |||
配偶者(特別)・扶養控除への影響の可能性 | ― | あり | あり | |||
配当割額控除額の適用 | ― | あり | あり | |||
配当控除の適用 | ― | なし | あり |
注釈1:特定公社債等に係る利子所得等は、総合課税を選択することはできません。
注釈2:同一の源泉徴収口座内の上場株式等配当等と上場株式等の譲渡損失は、その源泉徴収口座内で損益通算されています。
特定株式等譲渡所得 | 課税方式 | ||||
---|---|---|---|---|---|
申告不要 | 申告分離課税 | ||||
申告した場合の税率 | 所得税及び復興特別所得税 | ― | 15.315% | ||
市民税・県民税 | ― | 5% | 市民税 3% | ||
― | 県民税 2% | ||||
他の株式等の譲渡損失との損益通算 | ― | できる(注釈1) | |||
申告分離課税を選択した上場株式等の配当等に係る配当所得等との損益通算 | ― | できる | |||
国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、 介護保険料等への影響の可能性 |
― | あり | |||
配偶者(特別)・扶養控除への影響の可能性 | ― | あり | |||
株式等譲渡所得割額控除額の適用 | ― | あり |
注釈1:平成29年度より、上場株式等に係る譲渡損益の金額と一般株式等に係る譲渡損益の金額との損益通算はできないこととされました。